|
|
税務自主監査コンサルタント業務を創めるに当たって、
10年後の税理士業界に税務監査人制度の創設を提言しておきたい。
公認会計士法第2条には、
「財務書類の監査」や「財務に関する調査」と言う言葉が列挙されている。
税理士法第1条には「税務に関する専門家として独立した公正な立て場で、
申告納税制度の理念に沿って、納税者の信頼にこたえ、
租税に関する法令に規定された
納税義務の適正な実現を図ることを使命とする。」
と崇高な使命が掲げられているが、税理士法には、
公認会計士法に出てくる「監査」「調査」の文言はなく、
法第33条の2にはじめて、「審査」という言葉と、
「審査書面の添付」を認めているのみである。
税理士法第1条において「独立した公正な立場」を求めるならば、
税務監査人として
「税務監査」や「税務調査」の業務を法第2条で掲げるべきと考えるが、
国税組織としては、税理士としての立場は尊重するが一個人対し、
国税組織を縛る「税務監査証明書の発行」に躊躇し、
苦肉の策としての「書面添付」だったのではと推測する。
しかし、昨年度新たに導入された税理士法第35条1項の
「意見聴取義務」は、国税当局にとっては非常に大きな譲歩と思っている。
国税当局としても、国家公務員定員削減10間年で25%の計画がある中で、
調査人員の大幅な減少を見こすと、
現在の接触割合も極端な低下をもたらすことから、
税理士が自信を持って提出した申告書は、
税理士の立場を尊重して
意見聴取ということで決着したのではないかと思っている。 今ひとつ、大切なことは国税庁記者発表の数字も、
分析の見方一つで大きく変化するのである。
例えば、調査部の調査事績の新聞記事の項で記載した、
一件で500億円の申告漏れのように、
一割の超大口脱漏者と9割の小口の申告漏れ者であったとしても、
平均としては発表の数字となるのである。
この書の命題である大口脱漏者は、
申告書から見えると記述してきたとおり、
税務署の今後の調査としては、税務運営方針が定めるように、
大口若しくは悪質な脱漏者に重点的に的を絞る方向に向かうべきと考える。
そのためには、十分な日数を確保して、徹底した事前審理が必要であり、
現在の調査件数を大幅にカットする必要がある。
その代替として、
税理士にも、公認会計士と同じような税務監査人制度を導入して、
現行の書面添付に代え税務監査証明の発行を認めていくべきと考えている。
当然のことながら、
虚偽の税務監査証明には、罰則を強化すべきとも考えている。
ただ、同一法人で税理士業務と公認会計士業務が重複できないように、
帳簿の記帳や決算書の作成業務と監査業務を一人で出来るという考え方には、
距離を置いている。
私個人の意見としては、
監査業務は第三者が行うべきものとの信念があるため、
税理士業務と税務監査人業務も
重複できないような制約は入れるべきと考えている。
|
|
|
|