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当書を税務調査の極意書になぞらえ
税務調査の五輪の書と命名してきたところである。
はじめにでも前述したとおり、
国税職員の皆様には、的確な調査対象者の選定に役立つことを願っているし、
税理士先生方や納税者の皆様方には、
今後、税務調査(総合調査)を受ける立場になったとき、
あらかじめ申告書等から見える問題点をクリアしていただき、
「申告是認」を勝ち取っていただけるよう
「是正されない適正な申告書の作成の一助」
にしていただければという思いである。
税務職員のOBとして、
第二の人生を税理士として選択したからには、
これまで培ってきた調査ノウハウを生かす方法があるはずとの確信の元に、
当書を執筆してきた。
税務調査のプロを自認して来た者が、
後輩の税務調査を受けて不正を指摘されることは、
非常に恥ずかしいことと考えている。
その指摘を受けない唯一の方法は、
事前に自分の目で申告書のチェックを済ませる
税務自主監査の道ではないかと考えている。
その道が、税理士法第33条の2第2項の規定による
書面添付制度の活用である。
「税務調査のプロ」=「税務監査のプロ」との認識の下に、
「事前に申告書から見える問題点のクリア」による
新たな税理士業務の職域を開拓したいと思っている。
税務職員の凄さは、税務調査選定のポイントの項でも述べたが、
税務職員としてではあるが、何万件もの申告書の中から、
問題点を抽出して、実地調査を繰り返して、
その問題点の描き方が正しいかどうか検証しているのが税務職員である。
このような経験を積んだきた税務職員が、
退職後に胸を張って出来る仕事は、
税務自主監査の領域ではないかと答えを出したのである。
申告書から問題点が見えているのに、
みすみす重加算税や過少申告加算税を納税者に
ご負担願うのはいかがなものかと言う発想である。 税務職員にも、調査経験年数によって調査能力の差が大きく、
けっして税務職員全員が税務調査のプロとは思っていないが、
大きな不正や脱税は、
いつか、どこかの時点で確実に税務署や国税当局に
把握されることだけは確かであると思っている。
不正で蓄えた財産も、
死後の世界まで持っていくことが出来ないのであるから、
いつかどこかの時点で表に顔を出してくるものであり、
その時点まで気長に待っているのも、国税の組織であり、
税務調査のプロの頭の中にあると思っている。
これらの国税組織の内部事情にも明るく、
税務職員の調査能力や調査の限界も知っている からこそ、挑戦できる新たな職域であると考えている。 税理士(税務監査人)による
書面添付制度の活用による調査省略の道は、
今後大きく前進していく制度と考え、
税務自主監査コンサルタント業務を開設したところである。
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